<b>TOKYO WAR</b>

TOKYO WAR MOBILE POLICE PATLABOR

 書店の平台で見つけた「PATLABOR 2 The Movie」の原作の新装版。押井守の処女小説だったとは知らなかった。
 欺瞞に満ちた平和と正義の戦争という,何かときな臭い今日,うーむと考えさせられる話である。映画では描ききれなかった背景が改めてわかったりして,映画のシーンを思い出しながらあっという間に読みきった。もう少し,素朴な疑問の謎解きもしてほしかった気もするけど。
 この話,巨大化,硬直化した組織のやばい一面も見事に描いているのではないかと思う。
 「だから,遅すぎたと言っているんだ」と怒鳴り散らすような局面だけは勘弁してもらいたいもの。
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 仕事をさせていただいた筆者のなかで私が最も尊敬してきた先生が亡くなった。学者然とした素敵な人だった。「君はうちの学生より子供に見えるな」と笑われてから10年以上経ってしまった。もう一度話をうかがってみたかったが,再開はかなわなくなった。残念。