<b>ロンドン5日目</b>

 ロンドン5日目。今日もいい天気。



 朝ごはんを食べにホテルの食堂に出向いたら,今日はチケットを入念にチェックされる。で,「君が食べられるのは,パンとコーヒーか紅茶だけ」と言われる。あらそう。そういうものだったのね。「間違ってごめんなさい。理解してなかった」と謝ったら,「そんなに気にするな」と慰められた。って,昨日もおとといもチェックしなかったくせに。厳格なんだかいい加減なんだか。


 懸命に歩くのに飽きてきたので,午前中はハイドパークに行って本でも読んでみようかと思ってみた。さっそうと地下鉄に乗る。
 ハイドパークの池のほとりにちょうどよい木陰を見つけたので,ぼけっとしたり,本を読んでみたり。半そででいいやと思っていたんだけど,案外寒い。今日は上着を着ていなかったので,1時間くらいでギブアップ。といっても,東京では考えられないほど多くの種類の鳥がいたり,水際をばしゃばしゃ走り回る犬がいたりと,かなりなごんだ(鳥が驚くから犬を池に放つな,って看板が出ていたけど)。


 公園の近くに科学博物館と自然博物館というのがあるので,今日はそこら辺をちょっとひやかしてみることにした。
 まずは,科学博物館。ロケット号とか,T型フォードとか,V2ロケットなどの古いものから,最新の遺伝子研究まで,あれやこれやといろんなものが展示してある。私的に興味津々だったコンピュータに関するフロアは閉鎖中。残念。
 とりあえず,CRAY-1の本物がおいてあったので,ほほぉって感じ。


 そのあと,自然博物館で恐竜の化石にお目にかかることに。といっても,ものすごい人で,げんなりする。恐竜だけささっとながめて撤退。
 にしても,収集するとなるとなんでもかんでも徹底的になる国なのねと再認識。しかも,クジラでもシカでもトカゲでも,だれかしらが熱心に眺めているのがおもしろい。これだけの種類があれば,どれか1つくらいはささるものが見つかるってなんだろうか。


 私はといえば,すっかり一人万国博覧会の様相になっており,しかも人ごみにかなりうんざりしてきたので,今日はおしまいにすることにした。とりあえず,ハロッズの前を通って,ここがねぇという感想をもち,地下鉄に逃げ込む。


 ちょっとお腹が空いたので(この旅行で初めてかも),それでは中華でも食ってみるかと教えてもらっていたピカデリーサーカスで降りて,中華街をめざすことにした。案の定,道に迷うが,なんとかその手のエリアにたどり着く。ここも人でいっぱいだったので,早々に見つけた食べ放題のお店に入ってみた。1ポンド100円だと思えば,高くない感じ。


 ちょっと元気になったけど,そのままホテルに戻って本の続きを読みふける。『レオナルドのユダ』読了。ここはロンドンだけど,まぁいいや。おもしろかった。
 明日は,ナショナルギャラリーでダ・ビンチの絵にお目にかかってみるかとか考えている。