アムステルダム遅延顛末記

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今回の弾丸ツアーはドバイ周りのルートを選択したわけだけど、アムステルダムードバイ便の遅延により、帰国の予定が見事に狂っている状況。
時間つぶしに遅延の顛末を記してみようかと。
私たちが使ったアムステルダムードバイ便はA380という2階建ての巨大な旅客機である。個人的には、以前乗ったことのある機種。
われわれエコノミー組は1階なわけだけど、前から5番目の座席が私たちに用意されていた。トランジットに余裕がないからかもね、なんて感想をもっていたり。
搭乗そのものは順調で、出発前のおしぼりの配布も始まり、さあ出発だとぼんやりし始めていた。といっても、座席からコックピットの様子が垣間見えたりして、メカ好きな私は自然とそこに集まることに。
と、どうも様子がおかしい気がする。パイロットではないエンジニアがなんか作業を続けている。
乗客の搭乗も終わり、あとは扉を閉めて出発というタイミングでアナウンスがある。ちょっとした問題で20分ほど遅れるとか。ちなみに、定刻は21時50分。
搭乗員の様子からたいした問題でもないのだろうと思っていたのだけれど、パイロットが肩をすくめていたりして、なんだか様子が怪しい感じ。
しばらくすると、ちょっとコンピュータに問題が起こっていて、解決するまでもう少し時間がほしいとのこと。なるほど。それでは仕方がない。
その後、さまざまな人が入れ替わり立ち代り作業を続けるが、事態は好転していないようだ。
ここで、再びアナウンスがある。事態の収拾を図るため、すべての電源を一度落としたい。もう少し我慢してください。
A380の電源がすべての落とされ、機内はまっくらとなる。これってコールドリスタートってやつ? 主電源を入れ直すなんて、機長だってなかなか経験しないレアな事態だとどこかで読んだことがあるな。これは楽しい状況になった。と、私は呑気に構えていたり。
機体の再起動が行われ、機体がその機能を取り戻したのは23時45分くらいだったろうか。客席周りの電源が徐々に入っていくさまは、あたかもアポロ13号の映画を見ているようで、私はなぜかわくわくしていた。この時点で、乗り継ぎ便に間に合わないとわかっていたせいもあるけれど。
コールドリスタートしたにもかかわらず、機体の調子はよくないようで、1時15分くらいに状況説明がある。乗客は乗ったまま。
困ったことになった。このあとどうなるかとやきもきし始めたころ、「Good Newsです。あと20分ほどで飛び立てます」、との案内が入る。
あーもーどうとでもしてとやけくそ気味な感じになってきたとき、扉が閉められた。午前2時8分。離陸に向けて機体が動き出したのは、午前2時17分のことであった。
離陸するまでは起きていようと思っていたけれど、滑走路にでたところで私は眠りに落ちていた。
旅客機の再起動を目にするなんて、なかなかレアな体験ができたような。