<b>黄泉の犬</b>

黄泉の犬

 いろんなことがあった一年を締めくくるにはよい本を読んだ気がする。自分なりにあれこれ考えた。
  ニンゲンは犬に食われるほど自由だ。
 この言葉と写真に出会ったときの衝撃は忘れられない。
 この本の最初に,
  “自分が消える”という,奇妙な危機感にさいなまされていた。
という一文があるが,今年一年ずっと私が考えていたことの1つだのではないかと思ってみたりする。
 そんなときに仕事とはいえ実際にインドという国に足を運べたというのは,何かの因縁かも知れない。完全ガードで何もできなかったし,ガンジス川を眺めることもなかったわけだけど,あの国の光景はいまだに眼に焼きついている。
 旅をしているとはいうのはおこがましい旅行だったりするけれども,来年もどこかに行ってみたいものだ。



 そうか,1995年というのは時代のターニングポイントと呼べるような年だったんだな。



 一年の総括とか,今年とか来年とか,そういう区切りがあまり好きではないのだが,今年は少し考えてもよいかもしれない。
 それにしても,とっても厳しい,長い一年だったな。



 明日は実家に戻る(と呼べるほど遠いところじゃないわけだけど)。
 ガソリンを満タンにして遠回りして帰りましょ。