<b>パラレルワールド</b>

パラレルワールド―11次元の宇宙から超空間へ

 友人の“系の理論”というのを肴に五反田で呑んでいたのは何年前だろう。それって多元宇宙論ですね,こんなパラドックスがありますがどう解決できますか,……,なんて盛り上げさせてもらったもの。この本を読んでいたら,友人の考えていたことはとても先進的なことだったのかもしれないと感心した。
 といっても,“量子”が出てきた瞬間に私の頭は爆発し,なんとなくでもよいので理解しようと努力してみたらものすごい時間を消費してしまった。概念のイメージくらいはできているとよいのだけれど。
 ひも理論とかM理論とか,宇宙論というのは,とってもホットな話題なのだなと再認識。NASAが公開してきた画像にはそんなに重要な意味があったのかと,己の勉強不足を思い知る。
 私たちのすぐそばに別な宇宙が存在し,いつの日かそちらに移動することも可能かもしれないそうだ。生命の進歩はそこまでたどり着くのか,興味深いもの。その前に,現人類が種としてあとどれくらい生き残れるものなんだろうか。って,自分が目撃する可能性はこれっぽっちもないわけだけど。
 カク・ミチオさんのような権威がこういう本を発表するというのはすごいこと。日本の権威たちもこういう仕事をすればいいのに。