<b>虫ゴム</b>

 土曜日,久しぶりに自転車に乗ったら,前輪,後輪ともに空気が抜けていた。しょっちゅう使うわけではないのでまぁしかたないと思い,最寄り駅の自転車屋さんで空気を入れる。
 お昼ごはんを食べ終わり,さてお茶でもしながら本を読むかと走りだそうとしたら,後輪の空気が抜けている。
 これはパンクだなぁと,汗をかきつつ家まで坂を登って近所の自転車屋さんに修理を依頼する。
 「あ,むしごむがだめになってるね。たぶん大丈夫だけど,念のためパンクも調べておくよ」。
 むしごむ??? と思いながら修理の様子を見ていたら,タイヤのバルブのところで利用するゴムのことだった。
 今年は例年より虫ゴムをだめにする自転車が多いんだとか。東京地方の尋常ではない暑さが影響をおよぼしているらしい。
 日曜日。ご飯を調達しようと再び自転車に乗ったら,今度は前輪の空気が抜けていた。絶対虫ゴムだと自転車屋さんに行く。
 「あれ,今度は前輪なんだ。ほーら裂けてるでしょ。パンクのチェックは今日はしなくていいね」。
 話好きな自転車屋さんなのだった。
 自転車に乗れるようになってからずいぶん時間が経つけど,“虫ゴム”という言葉を初めて覚えた。



 土曜日。ちょっとした講演会に顔を出してきた。
 車って写真の被写体としては難しいものなんだ,と講演会の本題とはあまり関係ないことに感心していたりした。
 そもそもデザインとは? という,これまたかなり外れたことを考えていたりしたからなんだけど。
 評論家とか他人によるいろいろ批判があるにしろ,やっぱ好きだなぁとか,楽しいなと自分が思うのがとっても大事。
 今週は車に乗れなかったな。ぼけっとしてたし,ドライブに行けばよかった。