私は村上春樹の短編小説が好きだったりする。なぜかと尋ねられたこともあるが,それを語れるほどの言葉はもっていない。ただただ好きだったりする。
『ねむり』のオリジナルは『TVピープル』に所収されていたお話。『TVピープル』のことはそれなりに憶えているけれど,この話はかすかに憶えていた程度だった。
と,小説との付き合いに関するそんな逸話がこのお話にも出てきたりする。
村上さんの小説を読むと,私はいつも不思議な気持ちになる。私一人が現実から切り離されていくような。
社会と関わりを持とうとすると,いつも私一人が置き去りにされてしまうようなことばかりなので,そういうところが私の感情と同調するのかもしれない。
私は不眠症ではないが,眠れない病であることは間違いない(現実逃避の一つの言い訳だとは思うけれど)。
そんな私はこの本を読みながら自分の「眠り」についてちょっと考えていた。案の定結論は出ていないけれど。
挿絵がとても気に入っているとあとがきにあるが,確かに素敵である。
『アンナ・カレーニナ』は無理だけど,そのうち村上さんの短編を読み直してみようって感じ。
昨日の調整の効果がでているようだ。薬を早めに摂取しているというのもあるけど。
といっても,打ち合わせと称するばか騒ぎとくだらない大声の私語にうんざり。
躾は大事なことなのだ,とこの歳になってしみじみ考える今日この頃。