右脳左脳検査によると、私は理でものを受け取り、情で表現する傾向が強いのだとか。京極夏彦の小説を読むのが好きなのは、理に力点が置かれているからなのかもしれない。千ページ超なので読むのに苦労しつつ、この本も夢中になってページをめくっていた。
京極夏彦の小説の世界観はどれも楽しいのだけど、『巷説百物語』のシリーズはかなり好きだったりする。小股潜りが表に出てくることはほとんどなかったが。幕末の世界を通した社会風刺はなかなか痛快で、ちょうど幕末水戸藩の本を読んでいた私は、フィクションとノンフィクションの間で混乱してみたりしていた。
表紙カバー裏に印刷されていて、この本を象徴する錦絵でもある歌川国芳の「源頼光公舘土蜘作妖怪図」は聞いたことがあるな、と書棚を調べてみると、以前私は刷り違いの実物にお目にかかっているようだ。いろいろな妄想を想起させてくれる国芳の絵は私もとても好き。さまざまな文献や錦絵などから物語を紡ぎ出すのは楽しそうだ。これだけの分量に膨らませられるほどの力は私にはないけど。
ずいぶん処分しているし、マニアでもコレクターでもないにもかかわらず、書棚には京極夏彦の分厚い本が何冊も並んでいる。書店店頭で見つけると迷わずに入手するので、ファンの一人であることは間違いないようだ。
