『ファースト&スロー』

読書会の課題図書。東京大学でいちばん読まれた本、という帯のコピーはなるほどという感じ。

ヒューリスティクスに、という言葉は何年も前に聞いてからうまくとらえきれていなかったのだけれど、この本もカタカナでそのまま使われていた。訳語を決められないのだろうけれど、もう少し感覚的にできないものか。

経済というのが得意ではない私だが、バイアスのとらえ方がとても勉強になった。バイアスに振り回されてきたという経験がそう思わせるらしい。

なるべくバイアスをかけないように注意しているつもりだけれども、私はこの本で取り上げられる典型的な人間に属しているらしく、まあそんなものだろう。自分にミスリードされない程度にものごとを認識したいもの。

そうはいっても、私のシステム1はいろいろやらかしてくれる。落ち着かなきゃいけないな。

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フリーア美術館の北斎展/すみだ北斎美術館

ばたばた出歩いていた三連休。日曜日は友人と連れ立って両国のすみだ北斎美術館に出かけてきた。キヤノンの「綴プロジェクト」の高精細複製画というのを観てみようという企み。

キヤノン:綴プロジェクト

米国スミソニアン協会の門外不出の北斎の作品。目の前においてじっくり観察したとしても、私の目には本物も複製も区別がつきそうにない。オリジナルと並べてみたわけでもないけれど。

もっとも、刷りとか顔料の状態によって出来上がりが異なるのが浮世絵というやつ。今後も継続的に見続けていくのが私には大事な雰囲気。

 


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すみだ北斎美術館には初めて足を運んでみた。江戸東京博物館に影響されたかどうかは知らないけど、とても個性的な建物なのだった。

海外からの訪問客が目立つ両国に続いて、友人が行きたかったというオーダーノートなどで有名な「カキモリ」、オリジナルのインクの調合ができるという「inkstand」に足を伸ばした。

こだわりをもっている文具店というのは楽しくて仕方がない。今回はとりあえず日常的に使えそうな使い切りのペンを入手してみた。オリジナルのノートというのもいつか作ってみたいもの。B罫の用紙があるといいんだけど。

 


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お天気はいまひとつだったのがちょっと残念。と、油断すると必要以上に歩くことになるパターンなので、ちょうどよいくらいだったかも。

『星界の報告』

ミチオ・カクの本に刺激され、一度は読んでみなければと思っていたガリレオの本を入手してみた。『天文対話』を読むべきなところだけど、とりあえず『星界の報告』で入門である。

望遠鏡を手にしたガリレオが月、木星を観測した記録。冷静に観測しながらも、自身の発見に興奮している様子が伝わってくるような。

現在ガリレオ衛星として知られている4つの衛星は「メヂィチ星」と名付けられていたのだそうで。いろいろ気をつかう必要があったということね。

と、私はといえば、自分の目で木星とその衛星を観測した経験がない。明るすぎる東京では難しいけれども、ゆっくり時間をかけて自分の目で観測してみたいものだ。

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ムーミン展/森アーツセンターギャラリー

日曜日は六本木まで散歩に出かけた。混んでいるだろうなとは思ったけれど、トーべ・ヤンソンの原画を眺めてみたかったという次第。ムーミンって根強い人気があるのだなと実感してみたりした。個人的には、ニョロニョロを見つけては一人で盛り上がっていた。ニョロニョロって北欧神話の研究者である山室静さんが付けた名前だったというのは今日まで知らなかったけど。

不勉強で申し訳ないのだが、トーべ・ヤンソンは風刺雑誌のイラストを描いていたりしたのだとか。私が感じる独特な世界観は、そういう経験に裏打ちされたものなのかもしれない。素敵だったな。


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ある編集者のユートピア/世田谷美術館

ぼんやりしそうだったけど雑用で外出したので、土曜日は世田谷美術館の「ある編集者のユートピア」に寄ってみた。小野二郎ウィリアム・モリス晶文社がキーワードにした本を中心とした展覧会。時祷書の本を最近読んだところだったので、ラテン語の時祷書やウィリアム・モリスのケルムスコット・プレスの本などをじっくり観察させていただいた。晶文社の昔の外看板なんかも展示されていて、そういうものまで丁寧に保管してあるのがさすがだなぁという感じ。

モリステーブルというのを魅せるために、入口と出口をいつもと逆にするあたり、世田谷美術館もいろいろ工夫していたりした。本好きな人間にはお宝いっぱいの展示でした。


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『人類、宇宙に住む』

ミチオ・カクの新刊を読んでいた。原著のタイトルThe Future Of Humanity: Terraforming Mars, Interstellar Travel, Immorality and Our Destiny Beyond Earthを『人類、宇宙に住む: 実現への3つのステップ』としたのはいろいろ苦労があったのだろうな。

著者とタイトルに惹かれて読んだわけだけれど、現人類の未来に関する壮大なお話を楽しく読んだ。著者の知識量とそれをわかりやすく解説してくれる力には憧れしか抱かない感じ。

私が宇宙とかテクノロジーに興味をもつきっかけになったのはNASAボイジャー計画だったりする。木星土星の写真をスクラップして何度も眺めたものだ。まあ、単なる科学好きなおっさんには、宇宙理論とか、キーワードを追いかけるくらいが精いっぱい。

この本を読んで確認したことは、私は大山トチローになりたい、アルカディア号の心になって冒険に出かけてみたいのだということだった。まあ、脳の機械化が可能になったとき、そこにいるのは“私”なのか、という根源的な疑問に答えは与えてくれなかったわけだけど。

カクさんの本は素敵。私は大好き。

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