ロマンティック ロシア/Bunkamura ザ・ミュージアム

母親を病院に送り届けて、余った食材など、もろもろの荷物を家に持ち帰ったあとで、渋谷で友人と合流してBunkamuraの「ロマンティック ロシア」を観にいった。

私のロシア観というと、これまで読んできた何冊かの小説、それから映画「黒い瞳」でイタリアへ帰る主人公が乗る馬車が真冬の白銀の世界という感じで、どちらかというと広大だけど荒涼としていて、ともかく白いというものだった。

今回の展覧会はそんな私の印象を吹き飛ばす、色彩豊かで緻密でとても素敵な構成だった。写実的な表現は私のもつロシア人観を反映するような雰囲気でもあった。今回の目玉となっている「忘れえぬ女」「月明かりの夜」の美しい描写が特に心に残ってみたり。

自分でも気が付いていることでもあるんだけど、私は大きな森の中に描かれている小さな人物の姿に心を惹かれるらしい。今回もそういうモチーフの作品があって、とても気に入っていた。私の潜在意識の何かが感応するのではないかと思ってみたりもする。

ロシアの画家ってほとんど知らないのだけれど見にきてみるものだね、と友人と一致した見解なのだった。

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『機動の理論』

読書家に教えてもらった別の本。ずいぶんユニークな選択だなと思っていたけれど、こういう本からも日ごろヒントを得ているのかと納得してみたり。

これまであまり光が当てられてきていないという戦術家の理論が語られるこの本、第1次大戦以降の機械化部隊をどのように活用、展開されてきたのかがなんとなくわかった。兵器の進化、情報戦など、さらに様相の異なる現代だけれど、指揮系統を無力化することによって勝利を勝ち取るというのは今も変わらない原則なのかもしれない。

「タンク」と「戦車」の使い分けがあいまいだったり、突っ込みどころが散見されるのだけど、今どきの新書はそういうものなのかも。

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世界を変える美しい本/ベルナール・ビュフェ美術館

愛車が整備から戻ってきたし、会期終了まで間もないこともあったので、渋滞覚悟でクレマチスの丘までお散歩。やっと来れた。

もう素敵としか言いようがない。こういう本作りができる人に憧れるやら嫉妬するやら。ミュージアムショップにおかれていたタラブックスの本を手当たり次第に買いたい衝動を抑えつつも気がつくと何冊も手にとっていた。何冊かゆっくり読んでみたのだけれど、『Watelife』と『The London Jungle Book』がなんかとても気に入っていた。

シルクスクリーンを家にかけてみたいけれど、それはまた別の機会にしよう。

さぁ、早め早めにゆっくり帰りましょう。

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ルーベンス展/国立西洋美術館

友人と連れ立って上野までルーベンスの絵を眺めに行ってみた。とても勉強熱心な人だったのだな、というのがよくわかる構成。友人が理屈っぽいと語っていたのだけど、そうかもねという感じ。ルーブル美術館にかかっているような大きな作品を人の少ない空間でゆっくり眺めてみたりすると、その真価が見えてくるのかもしれない。

今回は私の図録を買わなきゃ病は発症しなかったので、絵葉書を3枚購入する程度でおさまった。

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『戦国日本と大航海時代』

読書会で紹介してもらった本を読んでいた。

豊臣秀吉による朝鮮出征がなぜ行われたのか、という素朴な疑問から、当時の欧州情勢と日本の複雑な状況を見直してみるという実に興味深い内容をだった。教科書の表層的な知識とか歴史小説などのバイアスのかかった描写でなんとなく理解した気になっていた私なわけだが、これは認識を改めなければなるまいという感じ。

数年前にフィリピンのマニラからメキシコへ至る太平洋航路が16世紀、17世紀あたりに確立していたという英語のテキストに触れたことがあって、ちょっと調べてみようと思いながらもそのままにしていたことだったりもするので、よい本を教えてもらった。慶長遣欧使節は当時の日本情勢、世界情勢に呼応したものであったこと、日本は簡単に征服できる国ではないと欧州に認識されていたこと、などなど、見方を変えると違うことが見えてくるのが面白い。

そのうち勉強し直そうと思っている私自身の素朴な疑問、妄想、仮説を検討するときにも役立ちそうな雰囲気だったりする。

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『サピエンス全史』

読もうかどうか考えていたところ、読書会で聞いた「〜らしい」というのに背中を押されて入手してみた。

訳者あとがきにあるほどは落ちなかったけれども、私なりにいろいろ目から鱗が落ちた本だった。実際、この本を読んでいるときに観た「2001年宇宙の旅」はこれまでとは違う視点で内容を考えたり、週末の散歩で足を運んだ見仏もいつもと違う見え方がした気がする。

個人的には、進化をこうとらえるのだなというのが新鮮だったりした。『銃・病原菌・鉄』を楽しく読んでいたりするので、なるほどーな感じ。時間に支配されている今日の私たち、というのもそうだよねと、頷いていた。時間というよりも、コンピュータのミリ秒単位のクロックに支配されていると思ったりもしたけれど。

最も印象に残ったのが、「科学は知識の革命ではなく、無知の革命だった」というところかも。あと、翻訳のなかでエジプトに関連する訳語で突っ込みどころがあったことを自分への記録として書いておこう。

とても興味深い、おもしろい本であったことは間違いないかしらね。

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