『三体 II』

楽しみにしていた三部作の第2部。怒涛の展開を楽しんだ。第3部が待ち遠しい。 詳しい人がいろいろ解説を加えてくれるのだろうけれど、私の心にいちばん残ったのは、長い冬眠から目が覚めて視力回復処置を受けたとしても、眼鏡をかけていた人は眼鏡がないとし…

『Pythonで学び直す高校数学』

数学の理解力を少しでも底上げしたい昨今、とりあえずどこまでついていけるか確認するために入手してみた。「文系プログラマーのための」とあるし、ちょうどいいかもと思った次第。私が通っていた高校はいわゆる文系コースでも数学は必修だったので、こんな…

『平家物語』

Eテレの「100分 de 名著」のアンコール放送を見て通読してみたくなり、河出書房の現代語訳で読んでみた。登場人物の数に翻弄されながらも、自分の記憶違いをあれこれ修正することになった。随所で歌舞伎を観ているような感覚になったりして、原本のもつ調子…

法隆寺金堂壁画と百済観音(の図録)

東京国立博物館で開催予定だった「法隆寺金堂壁画と百済観音」。残念ながら開催中止となってしまったのだけれど、個人的にとても行ってみたい企画展だったので、図録を入手してみた。焼損してしまった金堂壁画の雰囲気を少しでも感じられれば、という感じ。…

神保町「酔の助」閉店という話

神保町の居酒屋「酔の助」が閉店するというニュースが私の周りをざわつかせている。駿河台、神保町に拠点をかまえたことがある人であれば、多かれ少なかれお世話になったお店だと思う。 というわけで、私は私なりに酔の助のことを思い出しておくことにする。…

『猫を棄てる』

(たいへんありがたいけれどいまさらね、という感想をもちつつも)マスクといっしょに本日届いた本(写真に意味はない)。 見つかったときには手の施しようのない癌を患っていて、延命手術で医者の宣告よりは半年ほど長生きした自分の父親を思い出しながら読…

『クロード・シャノン 情報時代を発明した男』

今日の情報化社会の立役者の一人として欠かせないクロード・シャノンの評伝を読んでみた。シャノンがキーパーソンの一人として登場する本を途中まで読んで放置していたりして、あまり知らなかった人物像をちょっとは理解できたかもしれない。孤高の数学者と…

『レオナルド・ダ・ヴィンチ』

ウォルター・アイザックソンがダ・ヴィンチのことを書いているのか、と書店店頭でみつけて入手していた本。遺された自筆メモをもとにダ・ヴィンチの生涯が描かれる。スティーブ・ジョブズの評伝も面白かったけれど、この本もとても楽しく夢中になって読破し…

『アリストテレス 生物学の創造』

どこかで紹介されていてちょっと気になったので入手してみた本。ギリシャの哲学者に関して教科書的な知識も怪しいので、少し本格的な本に挑戦してみようと思ってみた次第。筆者は進化発生生物学の教授だそうで、生物学者としての側面を中心にアリストテレス…

『嘔吐』

こちらも課題図書の関連図書。私がサルトルの本を手に取ることになるとはまったく想定外の雰囲気。モノローグはいいのだけれど、話についていくのが精いっぱいでずいぶん時間をかけることになった。存在とは何か、と、ときどき自分の脳内に湧き出る疑問を見…

『子をつれて』『小僧の神様・城の崎にて』

読書会で課題となっている福田恆存をもう少し理解するために、とりあえず紹介されていた葛西善蔵と志賀直哉を読んでみた。 葛西善蔵という人の本を読んだのは初めてなのだけれど、『子をつれて』の主人公はまぁあきれるほどにだめな人だった。ちょっと違うけ…

『創造する心』

マーヴィン・ミンスキーのエッセイ集でアラン・ケイの寄稿もあるというのでさっそく読んでみた。『心の社会』は数ページめくってみた程度なわけだけど、この本は最後まできちんと目を通すことができた。自分的に理解も納得もできていなかったことをいくつも…

『金継ぎの家』『銀塩写真探偵』

あれこれちょっかいを出してなかなか読書が進まないので、買ったまま積んであるなかからこの2冊を読んでいた。相変わらず素敵な話を書く作家だ。 宝飾業を生業としていた家に生まれた私なのだけれど、子供のころから漆細工を取り上げた番組が大好きだった。…

『モンテレッジオ 小さな村の旅する本屋の物語』

J-Waveの番組で紹介されていて、ヘェ〜となったのでさっそく読んでみた。庶民が読める本が産まれた背景にイタリアの本の行商人が寄与していたのだそうで。私が知っているのはフィレンツェだけなのだけど、イタリアの底の深さがよくわかる素敵な本だった。 社…

『「人工知能」前夜』

つまみ読みしていたのだけれど、杉本さんの話を聴く機会があるというので予習で読んでいた。残念ながら座談会は中止となってしまったのだけれど。エドモンド・バークリー、ノーバート・ウィナー、フォン・ノイマン、そしてアラン・チューリングと、コンピュ…

『人間・この劇的なるもの』

次回読書会の課題図書。とりあえず読了。福田恆存はシェークスピアの翻訳者としても知られるそうだが、書架にある『ハムレット』は野島秀勝版だった。本文の引用に覚えがある気もするので、実家の本棚にあるのは福田版かも知れない。 この本については、読み…

『火あぶりにされたサンタクロース』

ちょっとしたきっかけがあってレヴィ=ストロースを読んでみたいと思ったところ、まずはこれだよと読書家に紹介された本。短い論文だけれどたいへん興味深い内容だった。クリスマスとかハロウィーンとか世間が浮き足立つイベントには無縁な私なので、横目で観…

『数の女王』

読み始めると止まらなくなる川添さんの本。すべての著作を読んでいるわけではないが、読むたびにすごいなと思う。物語に織り込まれるさまざまな数に関する話題を確認しながら楽しく読んだ。未読のタイトルも要チェックだなぁ。

ブダペスト/国立新美術館

歯科治療にともなう腫れが少し落ち着いてきた気がしたので、散歩に出かけた休日の火曜日。上野は車を止めるのが困難だったので、目的地を切り替えて国立新美術館に足を運んでみることにした。 ブダペストの美術館には行ったことがあるので再会できる作品もあ…

『息吹』

そのうち読めばいいと思っていたテッド・チャンの『息吹』。昨年読んだ本のベストにあげている人が複数いることがわかったので、いそいそと読んでみた。評判どおりのおもしろい作品だった。時間の話、AIの話、多次元世界の話とどれもすごいなと思ったなかで…

『ライオンのおやつ』

小説を読みたくなって書店店頭で見つけた小川糸の本を読んだ。人生の最後の時間を描いた話だけれど、通勤の電車の中でほとんど読みきっていた。いつもなら気になる周りの音がほとんど気にならないくらい引き込まれていた。私が人生の最後に食べたくなる“おや…

『詳注アリス 完全決定版』

数学者マーティン・ガードナーによるキャロリアンのためのアリスの物語の徹底的な注釈書。『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』について微に入り細に入り徹底的に分析されている。おそれいりました。読みこなすには私の知識が浅いのがくやしいところ。 …

『三文オペラ』『母アンナの子連れ従軍日記』

読書会の準備でブレヒトの作品をもう2点ほど読んでみた。生きていた時代が違うとはいえ、私にはシェイクスピアの方がしっくりくる感じ。 とはいえ、実は舞台演劇が嫌いではない私は、どちらの作品もその世界に引き込んでくれた。 母アンナを読みながら、北村…

(秘)展/21_21 Design Sight

外出のついでに六本木まで足を伸ばした。選択肢が2つあったのだけど、今日は(秘)展をのぞいてみることに。メジャーなデザイナーや建築家のめったに見られないものの展示とあって、それなりの人出。 どれもこれもなるほどーと夢中になってしまい何回か他の人…

『活版印刷三日月堂 小さな折り紙』

三日月堂の最新刊が届いていたので、さっそく読んだ。前作がプロローグとすれば、この本はエピローグに当たるもの。今回も素敵な話だった。 中学受験の経験がある私、そういえば自分は何を考えていたのか、などということを思い出しながら読み進めていた。担…

『ガリレオの生涯』

年越しで読んでいた次回読書会の課題図書。翻訳者の解説/訳者あとがきが書かれたのが2012年ということで、テクノロジー批判に振れているのはしかたないかもしれないが、まぁいろいろ思うところはあった。 ブレヒトの脚本の展開は好き。舞台で見てみたい雰囲…

『本居宣長』

毎回苦労する読書会の課題図書。今回の選書は小林秀雄の「本居宣長』なのだった。 私がこの本を読みこなすには教養がなさすぎる。いちおう古事記は読んでいるけれども古事記伝をめくったことはないし、源氏物語を深く読み込んだこともない。 といっても、私…

電子楽器100年展/国立科学博物館

本日の延長戦は科博の「電子楽器100年展」。私の人生に多大な影響を与えたのが電子楽器でありMIDI規格であり、昨今ではテルミンのライブに行くことも多い私としては、のぞかないわけにはいかない。 という人は世に多いのか、マニアックな展示にもかかわらず…

コートールド美術館展/東京都博物館

出かける用事もあったので、上野の東京都美術館まで足を伸ばして、コートールド美術館展をのぞいてみた。ロンドンのコートールドギャラリーには行ったことがあって、たしか別の用事で寄った気もするけれど、来日中の作品の何点はすでにお目にかかっているか…

『活版印刷三日月堂 空色の冊子』

三日月堂の新刊が届いていたのでさっそく読んでみた。これまでのお話のプロローグを集めたような構成。最初から読み直してみたい雰囲気になっている。自分のことを反映しながら読んでしまうところもあったりして、なんかしみじみしてみたり。親不知の一本を…