『宇宙に行くことは地球を知ること』

野口聡一さんと矢野顕子さんの対談集。宇宙飛行士と音楽家という私の憧れの代表がそろってしまったら、読まないわけにはいかない。宇宙空間に対する素朴な疑問から生死をめぐる話、宇宙ビジネスに関する話と、多岐に渡る話題について語られていて、とてもおもしろかった。矢野さんの宇宙好きはそれなりに知っていたわけだけど、興味を持ったことに対する探究心はすごい。なんちゃってな私のような人間は足元にも及ばない感じ。野口さんの受け答えもとてもわかりやすくて、そうなのか、ということをたくさん学んだ。すごい人だ。

この本を読んでいると、クルードラゴンのような宇宙船を民間企業が実現しちゃったことがいかにすごいことかよくわかる。Demo-2の打ち上げをNASA TVで見ていたときのコックピットの様子にどれだけ萌えていたことか。どんな宇宙船でもそうなのだけれど、あのわくわく、どきどきな感じは何度見ても変わらない。少しでも近いところに行けるようにもう少し頑張ってもよかったかもしれない。

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Twitterを眺めたら、ISSが関東上空を通過するという野口さんのツイートが流れてきた。心の中でだけれど、手を振っています。

 

『ヒトの言葉 機械の言葉』

川添さんの新書を読了。すべてを読了しているわけではないのだけれど、この人の本はどれもとても刺激的。この本では、言葉をめぐる冒険を楽しんだ。それなりに気にしなければならない場所にいる私だが、人の言葉も機械の言葉もきちんと理解しているとはいえないわけで、専門家の足元に少しは近づけるようにもっと勉強しなきゃいけないなと思った。

ダチョウ倶楽部の上島さんが……」にルビが降ってあったりして、細かいところに気を使っているな、となんか笑ってしまった。

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『サンセット・パーク』

トーマス・マンの短編を読んだものの、どうも消化不良の感覚が抜けなくて、とりあえず未読本の山からポール・オースターを引っ張り出して読んでみた。

いつものようにうまく説明できないが、私はポール・オースターの作品が好きだったりする。作品の世界観に浸るのが嫌いじゃないというところだろうか。ストーリーの結末は想像の範囲に収まっていたけれども、柴田元幸さんの訳者あとがきにあるように、登場人物たちの不器用な生き様に共感できるところが、おそらく根源的には人間が苦手な私にはずいぶんあるような気がする。

この本で最も印象に残ったのが、タンジビリティ(tangibility:手で触れられること)という言葉だった。ただでさえ人とのコミュニケーションが得意でない私は、手で触れることのできないオンラインの付き合いはともかく苦手だったりする。覚えておきたい単語に出合った。

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『ベニスに死す』

次の読書会の課題図書に選書された本を読んでみた。とはいえ、私の感想は、ふーんというくらいで、これからどうするかちょっと困っている。いつもなら出てくるこういう本を読んでみようという意欲がわかなくて、なんとも申し訳ない感じ。映画を観ればいいのかもしれないけれど、映像の美しさに魅了されるくらいでストーリーに没入することなく終わったしまいそう。

残念なことにヴェネチアを歩いたことがないので、空気感とか雰囲気とか、実際に現地で感じてみたいもの。陸からではなく、海からアプローチするのがよい、というのはよくわかった。

ウィルス、ペストに続いて、またしても感染症が出てくるというのはなんとも皮肉な巡り合わせな気もする。

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『進化とは何か』他

仕事の追い込み、わんこの登場などなど、読書の時間の確保に苦労していたりするけれど、読書会のお題がウィルスだったこともあって、関連する本を何冊か読んでいた。

もともとアウトプットが苦手なことに加えて、読書会がオンライン開催であったこともあり、これらの本を読んで学んだことや感じたことをうまく伝えれれなかった。大人数の集まりで発言することがそもそも得意ではない人間に、オンラインミーティングというのは敷居が高い。他人に訴えかけるほど何かを獲得しているというわけではないという理由もあると思われる。少しはアウトプットできるようになりたいものだ。

とりあえず、自分のために、読んだ本のログを残していくぐらいが今の私にはせいいっぱい。

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『妄想国語辞典』

J-Waveで取り上げられていて(最近そればかりな気もするが)、ちょっと読んでみた。笑ってみたり感心してみたり。「バンドのベース」(いい人のこと)、「おじさんの糖質制限」(本人以外はどうでもいいこと)というのが私的なヒットかも。「別件でトラブりまして」(体のいい言い訳)は実際に使ったことがある。この本ではブラック言語認定されているけれども、「なるはやで」(不確かな約束)というのはそれなりに頑張りますという意味合いで使っているような。例文の出来は私的にはもう一踏ん張りしてほしかった気もする。用例についてはやっぱり『新明解国語辞典』が横綱っぽい。

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「Time Warp」と「謝肉祭」

Perfumeの新譜をさっそく聴いてみた。ど直球のポップソング。テクノポップに大きな影響を受けている私には、アレンジもとても素直に入ってくる。いい感じ。特にコレクターでもないくせに今回も特典付きで注文してしまった。仕舞い込んであるカセットデッキを出して聴いてみてもいいかも。

今回注文していたもう1枚は、シューマンの「謝肉祭」。村上春樹の『一人称単数』に出てきていて、そういえばきちんと聴いていないことがわかったからだ。選択肢はいろいろあったけれど、今回はヴィルヘルム・ケンプの演奏を選んでみた。部屋でぼんやりしているときにかけておくのによさげな雰囲気。子どもの頃、父親が購入したピアノ名曲集全10枚組みたいなLPを聴いてみたときには集中力が続かなくてすぐに飽きてしまったのだが、こんな感じの演奏だったらもっときちんと向き合っていたかもしれない。といっても、けっきょくピアノの音が好きなのはあのとき聴いたLPのおかげな気もする。


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