<b>サイバーペット/ウェブ生命情報論</b>

サイバーペット/ウェブ生命情報論

 西垣さんが小説を書いていた。解説と評論までがワンセットになっていたりする。
 タイトルから受ける印象とは違って,リアルとバーチャル,自然と人工,そして情報などに関する奥深い考察に基づく話だった。小説を読み終わったあと,ちょっと短絡的ではないかとも思ったのだけど,解説を読んで,すべて折り込み済みだということを理解して舌を巻いた。さすが論客。
 主人公に自分のダークな一面を認識してみたりして,あれこれ考えさせられた本になった。そもそも“情報”とは何なのか,私なりに学習してみたくなっている。
 携帯電話のようなデバイスの存在は,人間にどんな変化をもたらしているんだろう。この本では語られていないけど,かなり気になる。