日本推理作家協会賞の評論・研究部門を受賞したシャーロッキアンによるシャーロック・ホームズの基礎研究をまとめた大作。コアでもディープでもなく、ときどき自分のなかに湧き上がるミステリーブームにちょこちょこ読んでみたりするくらいのミステリーファンの一人である私には、恐れ入りましたとしか言えない詳細にわたる解説書なのだった。
と、 カンバーバッチの「シャーロック」を毎回楽しみにしていたタイプだか、いちおう河田書房新社版の全集はひと通り読んではいるので、いちおうホームズファンと表明してもよいはずだ。
個人的にとても面白かったのは、第5部の日本への移入と翻訳のお話。翻訳者の苦労や工夫はとても勉強になった。日暮さん訳で読み通してみようかしら。
