ターナー 風景の詩/損保ジャパン日本興亜美術館

ターナーの風景画を眺めてきた。

ターナーの作品は何度か観ているのだけど、比較的大きな作品が多かった気がする。今回の展示は比較的小品が中心で、書籍の挿入画、ヴィニェットの精細な描写を堪能した。エッチングとの違いを知らなかったのだけれど、それ以前の凹版画をエングレービングと呼ぶのだそうだ。もう少し勉強してみなければ。

ターナーの展覧会らしく、イギリスに加えてさまざまな地域の風景を楽しめた。海洋が主題の作品も素敵だったけど、個人的にはスイスの悪魔の橋から眺めた景色というのがとても好きだった。

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新宿の損保ジャパン日本興亜美術館には初めて足を運んだ。あ、これ知ってるかもという東郷青児の作品のかけられていたり。展示方法はもう少し工夫してほしい気もする美術館なのだった。晴れていれば新宿界隈の街並みももっと楽しめるのかしらね。

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『新解さんの謎』

もちろん読んでいるよねと言われたのだけど、読んでいなかった本。言われてみると、赤瀬川源平の本はこれまで手に取ったことがなかったかもしれない。

私のスマホにはいくつか辞書が入っていて、『新明解国語辞典』もそのひとつだったりする。ふと疑問を持ったときにとりあえずいくつかの辞書を引いてみるというのは、スマホを使うようになってからかもしれない。困ったら広辞苑か机上の中辞典に聞いてみる、という習慣は前からだけど。日常的にめくるのは『記者ハンドブック』なわけだけど(すぐに自信がなくなって同じ言葉を何度も確認するだめな人ではあるけど)。

新明解国語辞典』がこうだったのかというのは、この本を読むまで気にしたことがなかった。この本を読みながら用例を確認してみると、たしかにとても面白いものがいくつも見つかった。

手元の第七版と比較してみると、新旧の違いがわかってともかく面白い。

例えば、恐竜の数え方。この本では、恐竜を一匹、二匹と数えるとあるが、第七版には「頭」が加えられているのがわかる。さすがに、ティラノサウルスは一頭と数えたい。

用例で面白かったのは「おおかた」。この本では「入れ代り立ち代り現れて、彼女の財産の-を毟り取っていたようです」というのに突っ込みが入っているが、第七版は「株の失敗で彼女は財産の-を失った」となっている。彼女の不幸は変わらないけど、世相を反映したものになっているということか。

まあ、ともかく楽しく読んだ本なのだった。

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『月世界へ行く』

コズミックフロント」で取り上げられていてとても興味を持ったので読んでみた(だいぶ時差があるけど)。ジュール・ヴェルヌは『海底二万海里』に夢中になったんだけれど、『月世界へ行く』は読んでいなかったこともある。

私はもう夢中になってしまった。ジュール・ヴェルヌすごい。ジョルジョ・メリアスの『月世界旅行』みたいなものかと思っていたら大間違い。この先どうなるかわからないけれど、そこに月という興味の対象があればまずは観察が優先、というアポロ13号のような描写があったりして、科学的な裏付けに加えて人間の根本的な好奇心などもよく描かれていると思った。

現代のジュール・ヴェルヌとなれる作家はいるのかしらね。

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大橋ジャンクション

会社の一大イベントが無事終わって、今日はお休み。外出の用事を終えて次の目的地まで少し余裕がかるなと思ったら目の前に大橋ジャンクションがあった。

というわけで、ちょっと立ち寄ってみた。中は何度も走行しているが、外側を歩いてみたことがなかったからだったりする。

うわさには聞いていたけれど、思っていた以上に静けさに少し驚いた。渋滞時にはこの中を車がのろのろ動いているのかと思うと、そのギャップが妙におかしな感じ。昼下がりの公園をのんびり散歩していたり本を読んでいる人がいたり、なんかさすが池尻だという場所なのだった。蔦(?)がずいぶんと成長していて、何年かすると、外壁は緑に覆われているのかも。

運動不足な昨今、ここまでふらふら散歩に来るのもいいかもしれない。車で動いているときには避けがちなジャンクションだったりはするのだけれど。

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東京理科大学 近代科学資料館

かねてより来てみたかった理科大の博物館にようやく足を踏み入れてみた。算盤から手回し計算機、パラメトリックコンピュータ、最近のPCなど、まあお宝の山である。NeXT Cubeが置いてあったりして、やっぱりそうだよねーな雰囲気。電源を入れてくれませんか? と言いたくなった。

ちょっと驚いたのが、パスカルライプニッツの計算機、バベッジの解析機とか、かつて科博に無造作に置かれていたものたちが貸し出されて展示されていたこと。今は科博のミュージアムショップになっている倉庫のようなところから出してもらって写真を撮らせてもらったことがある私は、ここで再会できるのか、と感慨に浸ってしまった。レプリカなのだけれど、やっぱり実体を見るのがいちばんの勉強になるわけで。申請すれば写真撮影もできるらしいので、そのうち写真を撮らせてもらおうかしらね。

パラメトロンのコンピュータも動いているところを見てみたいものだ。

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チャペック兄弟と子どもの世界/松濤美術館

チェコのチャペックの展覧会があるというので、ロボットにも興味がある私は松濤美術館に行ってみた。まったく不勉強で、チャペック兄弟で有名だったとは知らなかったし、児童書を出していたこともよく知らなかった。情けない。

プラハの雰囲気を思い出しながら眺めるチャペック兄弟の作品はなんかとても素敵だった。ローライフレックスで撮影された犬や猫の写真などもあって、読めもしないチェコ語の洋書をあやうく購入するところだった(もう少し安かったら入手していたかもしれないけど)。

実は、松濤美術館に足を運んだのは初めてだったりして、なんか雰囲気の良い建築にも感心していたりした。

ちょっとうろ覚えだし、カレル・チャペックの『R.U.R.』を読み直してみようかしら。

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