浅野武二の木版世界/府中市美術館

日比谷線でばったり遭遇したギャラリーの友人から招待券をいただいたので、府中市美術館までドライブしてみた。

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名所絵から自由版画、晩年の作品まで、浅野武二の世界をのんびり楽しんだ。繊細、緻密な名所絵から抽象的な表現が確立されるまでの試行錯誤のプロセスがとても面白い。「食卓の猫」に描かれた猫が個人的にはとっても素敵だった。

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府中市美術館は版画のコレクションで有名なんだとか。といっても、版画以外の常設展示も特徴があって楽しかった。

そのほとんどが地下に埋められているという謎の彫刻も置かれていたり。アートも奥が深い。

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奈良・西大寺展/三井記念美術館

友人と落ち合う前に見仏してみた。

なんか吉祥天萌えなひとであふれていた。もっと早く来れればよかったのだけれど。

奈良の西大寺にはまだ行ったことがなかったりして、またのんびりゆっくり散歩してみたいものだというのが本日の感想。人が多すぎでちょっといらつき気味だったのだけれど、「お前はまだまだだな」と凜とした表情が素敵な興正菩薩に叱られた気がした。

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武富さんのお別れの会

先だって亡くなった日本ユニ・エージェンシーの武富義夫さんのお別れの会にお邪魔した。ユニにしろタトル・モリにしろ版権エージェンシーというのは直接かかわることが少ないのだけれど、日ごろとてもお世話になっていたりする。

私自身は直接お目にかかったことはないのだが、いただいた本を斜め読みしただけでもとても素敵な人だったのだな、というのがよくわかる。海外がとても遠い時期に本や音楽を私たちに紹介してれた先人のおかげで今の私があるのではないかと思ったりする。さまざまな情報が簡単に手に入る現在の状況は必ずしもベストではないかもしれないとか考えていた。

恩師を見つけたり、前の職場の版権担当さんに会ったりと、個人的には久しぶりな人たちとの会話に花が咲いた。仲良くさせてもらっていた版権担当の一人がユニに入っていて驚いた。世界は狭い。

フランクフルト、シカゴ、ニューヨークのブックフェアで仕事をご一緒した(といっても私は同行させてもらっただけだけれど)もう一人の先輩とは話題がつかなくて、終わったあとも盛り上がっていた。積もる話がちっとも減らない。再会を約束して解散とあいなった。完成したという黒檀のアロサウルスを見せていただきたいもの。

また飲みましょう。

 

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聖書をいただいた

イスラエルを訪れたという不思議な友人からおみやげに聖書をいただいた。ヘブライ語英語バージョン。めくってもめくってもヘブライ語はわからない。

とりあえず、昨日のつながりでバベルの塔のくだりを開いてみた。ちっともわからない。

ヒンズー語とかアイスランド語とかアフリカーンス語とか、私には解読できない言葉かたくさんあるのだった。

現時点ではイタリア語の方がわかりやすい雰囲気。といっても、「こんにちは」「お会計をお願いします」くらいだけど。

 

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バベルの塔/東京都美術館

友人らと連れ立って東京都美術館で「バベルの塔」を見てきた。ブリューゲルの変態っぷり全開で楽しかった。ヒエロニムス・ボスにしろピーテル・ブリューゲルにしろ、どうするとあんな不思議な感覚をもてるのだろうか、とか考えながら眺めていた。

 

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会場の入り口付近にかけてある大友克洋の作品も変態っぷり満載。

 

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東京藝大の「Study of BABEL」ものぞいてみた。プロジェクションマッピングでみるとさらに楽しい雰囲気。

 

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その後、友人に付き合って神保町の古書店に行ったり、無駄話に花を咲かせたり。

今日も楽しいお散歩でした。

エリック・カール展/世田谷美術館

出かける用事があったので、世田谷美術館に寄り道して「エリック・カール展」に足を運んでみた。『はらぺこあおむし』の原画を見てみたかった。お天気の週末、予想どおり子連れがたくさんきていて、走り回るやら泣きわめくやら、エリックさんが見たら喜ぶだろうなという雰囲気だった。子どもたちが列をなすはずもなく、おじさんはゆっくり原画を眺められたかと。

エリック・カールってレオ・レオニに見いだされたアーティストだったのか。初期の作品はホワイトの修正とか、あたりなのがそのままになっていて、印刷されることが前提だったことがよくわかる。クモの巣が本物の糸だったりして、フィルムにおこしたときの効果なんかも計算されているのだろうな、とか思っていた。

辰年の私、タツノオトシゴの絵がすごく好きで、家にあったらいいのにとか考えていた。あとはハリネズミかな。

素敵な展覧会でした。

 

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『アポリエール詩集』『三日間の幸福』

地元の若い知り合いから紹介された課題図書を読んでみた。と、当人はすっかり忘れていたようだけれど、どちらも人に言われなければ読まないタイプの本なのでけっこう楽しんでいた。

アポリエールって、シュールレアリスムという言葉の元祖な人なのか。感性の鋭さと表現力はすごいなと思った。

比べても意味はないのだろうけれど、『三日間の幸福』の方はいかにもいまどきな雰囲気。あー、なるほどー、なのだった。いろいろ便利で平和な時代には、アポリエールのような迫力のある文章を生み出すのは無理難題なのかもしれない。

 

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