<b>南極ってどんなところ?</b>

南極ってどんなところ? (朝日選書)

南極ってどんなところ? (朝日選書)


 校正を戻してくれない筆者に圧力をかけるために,ここ数日千葉に足を運んでいる。この本は,時間調整で立ち寄った千葉駅周辺の書店でみつけたもの。朝日新聞の南極プロジェクトに同行した記者さんが帰国したのはつい最近だったと思っていたが,こんな早い時期に総集編のような本が出ているとは気が付かなかった。
 アムンゼン,スコットの南極点到達競争の話を読んだのは,小学生のころだった。白瀬隊の冒険紀行も夢中になって読んだような気がする。南極研究の現状はとても進化したものだという認識があったのだが,自分の想像以上にさまざまな研究がなされており,しかもめざましい成果を上げていることを改めて実感した。
 観測船しらせが老朽化し,新しい観測船の建造が進められるようだが,早急に完成させないと南極観測に空白期間が開いてしまうかもしれないというのが現状のはず。オゾンホールの研究など,地球規模で考えなければならないような問題に対する成果を上げている日本の南極観測は,もっともっと評価されてよいんじゃないんだろうか。
 この本の筆者の一人である中山さんの「ホワイトメール」は,私の愛読記事の一つだった。あとがきに,「空って,こんなにも大きかったんだ」と記されているが,1年4か月もの越冬隊に同行した人だからこそ感じられることなんだろうなと思ってみたりした。こういう取材ができるなんてすごい。うらやましい。