『教養としてのコンピューターサイエンス講義』

積みっぱなしだったカーニハン先生の本を読んでみた。プリンストン大学の講義をまとめたもので、ハードウェア、ソフトウェア、コミュニケーションの3部構成でコンピューティングの基本が網羅されている。カーニハン先生の講義で概念が学べるというのは贅沢な話だ。ネットワークの脅威から自分の身を守るために偏執狂レベルの防御を行っているというのが、いかにもという感じがした。それなりに勉強してきている(はずの)私は、基本を再確認しながら講義についていった。

Understanding the Digital World: What You Need to Know about Computers, the Internet, Privacy, and Securityという原著のタイトルに対して、翻訳書のタイトルが『教養としてのコンピューターサイエンス講義 ーー 今こそ知っておくべき「デジタル世界」の基礎知識』となるのも、なるほどねという感じ。

残念だったのは、本作りがおざなりにされていること。ワードプロセッサのデータをそのまま打ち出したような感じでよかったのかしらね。全角文字がそのままだったりするし、約物の扱いが間違っていたり、URLに余分なハイフンが入っていたり、訳注が飛んでいたり、ちゃんと作っていれば読みやすさは格段に違ったと思うのだけれど。章タイトルを意図的に見開き起こしにするというのは、雑誌衰退期の昨今、時代錯誤な気もする。そういうところが気になってしまうのは、私が古い人間だから仕方がない。

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