『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』

ブレードランナー2049」を観た後に、私が参加させてもらっているのとは違う読書会の課題になっているという話を聞いたので、読み直してみた。映画の方を何度も観ているので、あれ? 原作はそうだっけ? をいくつも確認した感じ。改めて読んでみると、私が好きな物語の源流の多くがここにあることがよくわかる。

さて、この課題を与えられた友人がどのような感想をもつのやら。

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MRJ Museum

三菱重工が開発を進めているMRJの今を知りたくて、名古屋まで足を運んでみた。要予約で身分証明書の提示が必要、かつミュージアム内部の撮影は許されていないなど、それなりに厳しいところだったりする。

この博物館は「県営名古屋空港」にある。名古屋といえばセントレアに行けばよいと思い込んでいた私、危うく間違えるところだった。天然全開である。時間の余裕がないかなとタクシーに乗ったはいいけど、運転手さんが場所を知らないというおまけ付きで、受付時間ぎりぎりに駆け込むことになった。電話で連絡してよかったけれど、ちょっとイラついてしまってごめんなさい、である。

最終組み立て工場の見学ができるこの施設、普段なかなか見られないものばかりで、とても勉強になった。平日であれば、実際の作業も見られるとのこと。量産体制に入れば、今日以上にわくわくしそう。もちろん、運行が開始されたら乗ってみたいものだ。

見学後にあいち航空ミュージアムでYS-11などを間近で眺めてみたり、なかなかお目にかからないFDAの離陸を観察したり。

楽しい社会科見学の一日でした。

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『サド公爵夫人・わが友ヒットラー』

読書会の課題図書を読んでいた。

三島由紀夫といえば、そういえば読書姿を見たことのない職人だった私の父親の本棚に評伝があって、子どものころに写真を眺めたのが最初だったことを思い出した。自決前の写真を見てこの人怖いというのが第一印象だった気がする。

三島の脚本をちゃんと読んだのは初めてなのだけれど、どちらも舞台で観たいもの。一時期芝居をそれなりに観たことがあるのだけれども、そのきっかけとなった「ハムレット」も思い起こせばこういった芝居の影響を受けているのかもしれない。私の脳内ではシンプルな舞台で演じる役者の姿がとても鮮明に描かれていた。

内容については少しほかの本を読んでみたりしてから消化していこうという感じ。この本の自作解題からたくさんヒントを得られるはず。

自作解題に出てくる「四六駢儷体(しろくべんれんたい)」という言葉を調べてみたら漢文の文体のことだった。三島由紀夫はシンメトリーが好きだったそうで、なるほどという感じ。「政治的法則として、全体主義確立のためには、ある時点で、国民の目をいったん「中道政治」の幻で瞞着せねばならない。」という一文にも、ふむふむと思ってみたり。

読書会までにはもう少し自分なりの意見が出せるようになりたいもの。まあ、私の位置付けは庶民代表なわけだけれど。

 

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『活版印刷三日月堂 庭のアルバム』

活版印刷日月堂』の第三段。一気読み。この本も面白かった。

「ゲラ刷り」の語源が出てきたり、私が今の仕事に就いたときに聞いていた素朴な疑問の答えなんかも出てきていたりする。いわゆる業界用語だけれど、わけもわからずに使っている人も多かったり。活版の経験はないので、私自身とても勉強になったりした。

ストーリーは相変わらず素敵。次の展開が楽しみなのだった。

 

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大人の科学科学マガジン」とのタイアップキャンペーンがあるとのこと。私、勢いですでに予約注文しちゃってるんですけどね。

『広辞苑はなぜ生まれたか』

『博士と狂人』を読んだ流れで買ってみた。『広辞苑』の裏話を題材にした本はいくつもあるようだけれど、この本は編者である新村出にフォーカスを当てたもの。優れた言語学者であって、日本の図書館の普及にも大きな役割を果たした人なのだった。

初版刊行後に寄せられる質問や指摘に丁寧に答えていたそうで、辞書作りは本当にたいへんな仕事なのだなと改めて感じた。誤植の指摘も多かったそうで、まして活版の時代だし、それゃそうだなと思ってみたりした。

現在の制作体制は知らないが、当初は編者費用は編者負担で印税から差し引かれていたのだとか。今も昔も本をまとめるのは簡単ではない。

新村出という人は、「三然主義者」だったという。自然を愛し、偶然を楽しみ、悠然と生きるのが、のだそうで。私もそんなふうになってみたいもの。

 

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