休暇の記録:2日目

エジンバラに着く、というのが今回の旅行の最大のミッションになってしまい、こちらで何をするか実は何も考えていなかった。一人旅のときはいつもそんなものだけれど。とはいえ、ラグビーワールドカップの大一番があるわけで、その気になったらどこかで試合を観たいとは妄想していた。

昨日の疲れもあって(歳のせいもあるし、思うように英語を使えていないという事情もある)、今日は部屋に引きこもって今後の計画を練ることにするか、とも思ったんだけど、そこは落ち着きのない私なので、とりあえずエジンバラ城から散策してみることにした。そこに城があれば行ってみる性格である。スコットランドイングランドの関係など、イギリスの歴史をもう少し勉強しなきゃだめだな、というどこに行っても同じ感情が湧き上がってくる。

それなりに堪能しながらも、ラグビーのキックオフの時間が気になってしかたなかったので、タイミングを見計らって繁華街を歩いた。ホテルの部屋に戻ればいいかと思っていたんだけど、歓声が聞こえてきたので勇気を持ってパブに突撃。ちょうど日本の最初のトライのタイミングであった。

ビールを手にきょろきょろしていると、すぐ近くのご夫婦が座れる場所をあけてくれた。とても穏やかな雰囲気。って、スコットランドが負けることはないという余裕だったのかもしれない。後半になると、店中の観客がスコットランドの攻撃に熱くなっていた。

そしてノーサイド。日本の勝ちが決まった瞬間に、席の向こうのご主人と握手を交わし、奥様とはハイタッチ。Well done! よくやりました、という言葉がとても暖かくて、なんかとてもうれしくなった。いい経験をさせてもらった。


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今日はもうおしまいでいいかと思ったけれど、聖ジャイルズ大聖堂に入れることがわかったのでちょっと散策したり、エジンバラ駅周辺を歩いてみたり。ちょうどよいタイミングだったので、夕飯にフィッシュアンドチップスを頼んでみたり。ウイスキーチャレンジもしなきゃだけど、今日のところはビールで満足。


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さて明日はどうしようかしら。

休暇の記録:出発

休暇をとって出かけることにした。冒険が足りていない昨今の私、久しぶりに一人で海外旅行をすることにした。

出発の日を狙うように凶悪な台風がやってきて、今回はだめかなと思っていたのだけれど、前日になって出発時刻を前倒しにするという連絡があり、半ばあきらめていた私は慌てて準備をすることに(前日のライブハウスも缶ビール1本で切り上げた)。

羽田空港に着けるかどうかも不安だったので、バスの始発で出発して、二子玉川駅から羽田行きのバスに乗り継いだ。「今日飛ぶんですか?」「信じて行くしかないんです」という会話が異常事態を示していたような。

ほとんどの便が欠航していた羽田空港は見たこともない静けさだったのだけど、国際線ターミナルにはそれなりの乗客が集まっていた。出発直前にパリ便の機長が天候、飛行ルート、シートベルトサインが消えるまでの予想時間などを丁寧に説明していて、それまではしゃいでいた女子学生(と思われる集団)も神妙な面持ちで聞き入っていたのが印象的。要はトイレに行っておこうね、ということだったわけだけど。館内のほかのところにも流れていたので、パリ便の機長が代表で説明したということかも知れない。プロだなと思った。

私が搭乗したのはロンドン行き。刻々と悪化する状況のなか、定刻よりもちょっと遅れて離陸。今回は窓際の座席になってしまったのだけど、いつまで雲の中にいるのだという感じ。雲が切れて眼下に海が見えたころには、すぐそこにロシアが確認できるとこまで到達していた。思っていたよりは揺れもなくて、パイロットの心意気を感じたような。ほとんど眠らずにいた私は、このあと食事をした直後に眠ってしまった。


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そのあとはごくごく普通にロンドンに到着。乗り継ぎの私はヒースロー空港で何度か迷いそうになったわけだけど、なんとか無事に今回の最初の目的地であるエジンバラに到着した。


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4度目の渡英。私のイギリス好きは『ドリトル先生』に起源があると思われる。予算の都合などもあるのだけど、結果的に今回はイギリス行きで決めてよかった気がする。

さすがにくたくたで、携帯電話を握り締めながら寝落ちしていた。

『わたしを離さないで』

寝る前につらつら読んでいたカズオ・イシグロの小説。クローン技術が行き着いた先のことを想像したり、イギリスの風景を思い出したりしながらゆっくりゆっくり読み進めた雰囲気。こういうお話は嫌いじゃない。系統は違うけれど、ずいぶん昔に読んだ『グリフォンズガーデン』のことを思い出した。

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『銀河ヒッチハイク・ガイド』

やりたいことがなかったわけでもないのだけど、家で本を読んでいた休日の月曜日。

最近の仕事で続けて出てきていて、みんな好きですねという会話があったりしたので、SFの古典を読み直してみた次第。そうそう、こういうお話だった。あまり深く考えず、楽しく読んだ。

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『ぺてん師列伝』ほか

次回読書会の課題図書である種村孝宏の『ぺてん師列伝』を読んでいた。人は簡単に騙されるのは今も昔も変わらない。私も騙される側に属するわけで、ある種うらやましいと思ってみたり。まあ、野心も虚栄心も守るべき地位もないので、大きな痛手を負うほどではないはず、と自分に都合のよい解釈をする。って、騙す側からすればお手軽な相手だろう。

課題図書に出てくる萩原朔太郎の『日清戦争異聞』とゲーテの『ファウスト』に興味をもったので、関連図書としていっしょに読んでみた。萩原朔太郎の不思議な感覚がとても楽しかった。ゲーテは一度読んだくらいではよくわからない。現代語訳で概要をつかむ程度でせいいっぱい。

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松方コレクション展,モダン・ウーマン/国立西洋美術館

台風が向かってきているけれど家でじっとしているのもなんかもったいない。というわけで、上野まで運んでみた土曜日の午前中。予想していたよりは少なかったけれど、チケット購入の行列ができるほどの盛況ぶり。

開館6 0周年記念で日ごろとはちょっと異なるフロア構成の国立西洋美術館。体系立てて配置されると常設で見慣れた作品もいつもとちょっと違った印象に感じられておもしろかった。何点もの作品を1つの壁にごちゃっと掛けるやり方は実はけっこう好きだったりする。

モネの作品はやっぱり遠くから観るとわかる水面の感じがとてもいい感じ。って、人が邪魔しなければもっといいんだけど。ゴッホとかルノアールとかわかりやすく展示してあるなかで、私はやっぱりコローの作品が好きだった。微妙な色の使い方が私にあっているのかもしれない。

それなりの数が掛け替えられたスペースは、フィンランドの女性芸術家の作品による「モダン・ウーマン」という企画になっていた。展示内容が微妙に変わることはあっても、だいたいこの辺にはこれがあるという場所が違う用途に利用されているというのはなんか新鮮だった。19世紀後半から20世紀前半に活躍したという作家による作品は、なんか私が勝手に思っているフィンランドのイメージがそのまま反映されているような雰囲気。ヘルシンキを歩いてみたときに訪れた美術館とは少し違った印象だったけれど。写真を撮ってもよいということだったので、お気に入りをいくつか撮影させてもらった。


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近所のなじみのイタリアン食堂で遅めの昼食をとって、少しおしゃべりして帰宅、というなんともゆったりした休日なのだった。


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奈良大和四寺のみほとけ/東京国立博物館

藝大までくれば国博にも寄りたくなる。混雑は好きじゃないので今回は三国志を横目に見仏することにした。とはいえ、すっかり暑さにめげてしまったで駆け足になってしまった。

この企画で取り上げられている奈良大和四寺のうち、行ったことがないのは安倍文殊院の1か所で、岡寺、室生寺長谷寺には詣でた経験があったりする。ずいぶん前になるけれども、室生寺の仏像には以前おめにかかったことがある気がする。

ここのところ見仏が不足気味ではあるので、もう少し涼しくなったらどこか出かけてみてもいいかも。

それにしても暑さに弱い私だ。


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