神保町「酔の助」閉店という話

神保町の居酒屋「酔の助」が閉店するというニュースが私の周りをざわつかせている。駿河台、神保町に拠点をかまえたことがある人であれば、多かれ少なかれお世話になったお店だと思う。

というわけで、私は私なりに酔の助のことを思い出しておくことにする。

大学生の4年間、その後新卒で働いた会社で2年ほど、私は人生の6年ほどを神保町周辺で過ごした。その後も、年に数回は飲みに行っていると思うので、自分の年齢を考えると付き合いはそれなりに長かったことになる。

サークルに入って新歓コンパというに参加して、これが大学というところなのかというのを理解したのがデビューだったと記憶している。2階のゲームセンターに1階の酔の助、その後、諸先輩、親友、悪友たちとともに何度通ったのかはわからない。○○禁止の貼り紙を横目に迷惑をかけたことも何度かあったと思う。仲間内の数々の事件が起こったことも忘れられない思い出だ。あの事件はあの辺りの席だった、と地図を描けるくらいだ。

その後、縁あって神保町の会社で働くことになり、同じ日に内定をいただいた同期との最初の飲み会もこのお店だったし、同期や先輩たちとあれこれやらかしたこともあったような。サークルの後輩と会社の同僚と同じ席を囲んだこともあった。

転職後の同僚から「神保町臭い人種」とdisられることもあるわけだけど、その匂いを私につけた(私を育てた)場所の1つが酔の助という居酒屋だったわけだ。

私の属する集団はみんなここが大好きで、神保町を離れたあとも、ことあるごとに集合していた。ちょうど「酔の助で飲もうぜ」というメッセージをやりとりした直後に自粛騒ぎとなり、次の機会は得られそうにないのは残念だ。私個人としては、せっかく神保町で飲むのであれば聖地巡礼をしましょうと、地元の呑み友だちを連れて兵六と酔の助を紹介できたのが最後の思い出となってよかった。

先日、神保町に出かけた折に移転後の伊峡を偶然見つけて喜んだわけだけど、神保町の姿も徐々に確実に変わっていくのだな、と感慨深い。 

写真をめくってみたらありし日の酔の助が出てきた。

お世話になりました。ありがとうございました。

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