本屋さん大賞をとったときから気になっていた本。内容紹介から受ける感じから,とりあえず第一部を読んで,最後まで読み続けるかどうか決めよう,なんて考えていたんだけど,がっちりつかまれ最後まで読み切った。
外見からすると,体を動かすことなんて嫌いだろうと思われがちな私だが,これでも中学,高校とバレーボールなんかをやっていた。といっても,これには小学校6年間の体育の成績がすべて5段階評価の“2”だったという,自分のコンプレックスと戦うという意味もあったんだけど。
ってことで,私にはいわゆる体育会系の考え方が体に染み付いている。外見と内面のこのギャップがときどき周りの人間を戸惑わせることもあるらしい。
そんな私にとって,この本は“あのころの私”を思い出させてくれるものだった。
体力に劣る私がレギュラーポジションをとることはなかったし,練習試合で使ってもらったことも数えるほどしかなかった(怪我も多かったし,プレイングマネージャーと呼ばれる立場で審判ばっかりやってたし)。
でも,できなかったことができるようになったあの瞬間とか,チームが勝ったときの言いようのない高揚感とか,好きだった女の子としゃべったどきどき感とか,あれもこれも昨日のことのようによく覚えている。
ときにはこういう小説を読んでみるのもいいものだ。素直になれる気がする。
“あのころの私”は素直だったなぁ。
って,何を熱くなってんだか……。