『阿部一族・舞姫』ほか

読書会の課題で森鴎外を4冊読んでみた。これまでまともに読んだのは『舞姫』と『山椒大夫』くらいなので、ゆっくり読み進めていた。それぞれ特徴があって、とても興味深かった。

阿部一族舞姫』は、そういう終わり方をするのか、と歌舞伎を観ているような感覚だった。一方、『大塩平八郎』は時代小説な雰囲気。武士の描写が生々しい気がするのは、鴎外が生きた時代背景によるものだろうか。『山椒大夫高瀬舟』は2冊の折衷的な感じ。お話として興味深く読んでいた。もう1冊読んでみようと手に取ったのが、『ヰタ・セクスアリス』。『昴』の掲載号が発禁になったというので、どういうものか気になったから。といっても、これで発禁なのかという印象で、掲載時の時代や国がそうさせたのだろう。

ゆっくり読んでみて、鴎外の旺盛な創作意欲はよく理解できた。奥底に潜んでいるさまざまな要素については読書家たちにご教授頂こうと思われる。

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