『昨日の世界』『時代と世界』

なんとなく付け忘れていた読書会の課題図書と関連図書。

昨日の世界』はツヴァイクの自伝。読書会では、その教養と人脈に圧倒される、やり切った人生だったのではないか、単なる自慢話ではないか、などなどの見解が披露され、そうだな、という感じだった。私も似たような感想を持ちつつ、二度の世界大戦を経験することになり、最後は自死を選択することになる筆者の生きざまとはどういうものだったか、をあれこれ考えていた。彼が考えていた統合された世界、といってもヨーロッパが中心となるのは仕方ないが、のようなものが実現しないのは、種としての人間の限界なのかもしれない。読み始めは確かに自慢話のような感想を持つが、最後まで読み通していくと、いろいろ考えさせられる本なのだった。

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ツヴァイクといえば、『人類の星の時間』を読書会で読んだことがあって、関連図書としてざっと読み直した。また、少し調べてみて、『時代と世界』も読んでみた。『昨日の世界』に対してこの二冊はツヴァイクの表の顔になるだろうか。どちらもいきいきとした描写がとても面白い。ヨーロッパをみてみるときに、私にいろいろな視点を与えてくれる。『時代と世界』と『昨日の世界』にはオーバーラップするところも多くて、この二つを並べてみるとあれこれ考えが広がる気がする。

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