大正イマジュリィの世界/SOMPO美術館

午後に人に会う約束があった8月16日の土曜日に少し早めに移動してSOMPO美術館に足を運んでみることにした。大正期を中心としたデザインとイラストレーションを集めているというのに興味があったのだった。ともかく暑い一日で美術館にたどり着くだけでくたくたという感じにも関わらず、そこそこの人出で、みなさん熱心だなというのが第一印象だった。

解説によると、「大正イマジュリィ」とは「大正時代におびただしく巷に氾濫し、人々の記憶に刷り込まれていった『複製図象』の総称」のこと、だそうだ。明治末期から大正、昭和初期に至る書籍や雑誌、挿画などが多数展示されていて、どれもとても素敵だった。さまざまな作家がそれぞれの個性を競い合っている雰囲気は、なんとなく予定調和になっているように感じられる今日とはまったく違う気がして、なんかうらやましいと思ってみたりもしたのだった。個人的には雑誌『ホトトギス』のページをめくってみたくて仕方がなかった。

一部の作品は写真撮影が許されていたのはありがたい。と、あとで見直してみたい作品が何店かあったのだけど、この展覧会の図録はシンプルな簡素なもので、本格的なものも用意してくれればいいのに、と思っていた。