ロンドン: ようやく辿り着く

サンティアゴを出発して帰路に着く。と言っても、同じルートではつまらないし、せっかくなのでロンドンに立ち寄る経路を手配していた。

サンティアゴの出国は問題なくできて、ロンドンに向けて出発。実は直行便があるのだけど、混雑で取れなくて、マドリッド経由ロンドン行きで移動した。太平洋を横断するようにチリに入ったわけだが、帰りは大西洋を横断するという私の人生初のコースなのだった。マドリッドへの空路は、チリからアルゼンチン、パラグアイ、ブラジルを抜けて大西洋を横断し、ポルトガルを経てスペインに入るというルート。上空から見る南米の地形はとても興味深いものだった。


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食べてゆっくり寝てマドリッドに到着。ここでロンドン行きに乗り換えるのだが、トランジットの方法にわからないことがあって少し慌てる。よく見ると、Londonの表記がスペイン語なことに気がついてなんとかなった。マドリッドからロンドンへの飛行時間は2時間かからないくらいで、とても近かった。


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ロンドンに到着後、数回のリトライの末に自動化窓口で入国完了。さすがに少し安心した。ホテルのチェックインまでかなり時間があり、荷物を預けてコーヒーで作戦会議の末、明日の計画の予習をすることにした。少し余裕をもって行動した方がよさげだ。時間があったため、大英博物館でモアイの復習をすることに。前回来たときにはまだ工事中だった(と思う)Elizabeth Lineを活用するとそこそこ近いことがわかる。


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Paddington駅周辺の様子もずいぶん変わったようだ。


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サンティアゴ: 休養日

今日は一日のんびりすることに決めていた。と、水くらいは買う必要もあり、せっかく外に出るなら涼しいうちに少し歩いておくかとサンティアゴの旧市街まで出かけた。サン・フランシスコ教会と併設の博物館に行っていなかったせいもある。歴史ある建造物であるとともに現在も修道士が暮らしているそうで、足音が聞こえると振り返ると、実は階上を歩いている人だったりした。クスコ出身の画家の作品があったりして、南米の結びつきをはなんか興味深いものだなどなどを考えながら歩いていた。


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気温も上がり始めていたのでそのまま帰ろうと思ったものの、ふとチョコハンティングをしてみようと検索してみるとよさげなお店があったので、足を延ばしてみた。が、裏通りの小さなお店をようやく探し当てたにもかかわらず、開店前のようで扉が閉まっていて購入を断念することに。まあ仕方ないとホテルに戻る前にスタバでコーヒーにしようとデパートに立ち寄ってみると別のチョコレート屋さんを発見した。少し悩んで購入を決定。バレンタインのこともあり、包み方はどうする? というようなことを言われた気もするが、スペイン語がよくわからないという身振りをすると、苦笑された。

そのまま午後はのんびりして、夕飯は今日もホテルのレストランで済ませることに。昨夜飲めなかったカルメネールを2杯飲んで、コーヒーでしめたのだった。


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イースター島/パスクア: 最終日

イースター島最終日。お土産を買う余裕がなかったので、ささっと買い物をして、近くのモアイを見に行こうと行動を始めたが、案の定お土産屋さんが開いていなくて無駄骨を折ることに。作戦変更で近所のモアイに会いに行くことにした。

 

◾️タハイ儀式村

島の中心街(というか、島のほとんどの人が暮らしていると思われる)ハンガ・ロアのほど近くにあるタハイ儀式村。アフ・バイ・ウリ、アフ・タハイ、アフ・コテリクの3つが並んでいる。夕日の撮影スポットだったり、だれでも気軽に来れるモアイスポットだ。ここで有名なのは目が入れられているアフ、コテリクだろうか。レプリカとはいえ、往時を偲ばせる姿はきちんと見てみたかった。すぐ近くに博物館があり、モアイに入れられていた目の本物があるそうなのだけど、時間のプレッシャーと暑さに負けて博物館行きは断念した。次の機会に行けばよい。


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チェックアウトの時間を気にしつつも暑さに負けて木陰で休んでいると、わんこが近寄ってきて寄り添ってくれた。たぶんいいことがあると考えたのだろう。と、言うわりには私にもたかかってきたり、なださせてくれたり、とてもいい子で、たくさんのわんこがいる中で、もしうちに迎えるとすれば君だね、と思った。お礼できるものを持っていなくてごめん。

イースター島には犬、猫、鶏、牛、馬などがいるが、みんな人慣れしているのが印象的だ。ヒトは必要以上に動物を追い込まないし、動物も自らの居場所をきちゆとわきまえているように見える。私のような人間には楽園だ。


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◾️サンティアゴ

ピックアップの時間まで少しぼんやりしてから空港に行く。日本のパスポートは強いと聞くが、やたらと時間がかかる国の人に比べて、私の手続きはあっさり終わって気が抜けるくらいだった。

予定どおりサンティアゴに到着してオフィシャルのタクシーを頼んでそのままホテルに到着できた。今回は到着すると時差がある感じで、そこそこ遅めの時間となった。お水くらいは入手したおこうと考えていたが、あれよあれよとチェックイン。お腹が空いたので、バーのレストランに行くと閉店間際のタイミングだったにもかかわらず、グラスワインを見つけて頼むことに。ぱぱっと食べてささっと2杯飲んでようやくひと息ついたのだった。


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イースター島/パスクア: 半日ツアー×2

イースター島2日目は、半日ツアーを午前、午後のそれぞれに参加する組み合わせ。と言っても、昨日のメンバーの半分が同じでどーもどーもで始まったのだった。

 

◾️アフ・ビナプ

昨日が島の北東方面だったので、今日は南西方面に行く。最初に行ったのがアフ・ビナプ。『アクアク』でも述べられているが、この遺跡を見ると、インカの影響が一目瞭然なことがわかる。足の加工技術を駆使した石組みが残されている。とはいえ、その痕跡はごくわずかなので、論争の種になるのも理解できる。石組みの細かいところと粗いところの2つがあって、それってマチュピチュと同じ理屈なんだけど、と個人的な感想をもった。アメリカ軍が展開していたときに破壊されたところもあるそうで、むむむとなったのだった。


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◾️オロンゴ

次に行ったのが、火山活動によって構成されるイースター島南西側のラノカウにあるオロンゴというところ。人が住んでいた痕跡が残っている。ここで行われていた儀式はイースター島の歴史を語るには欠かせないものらしい。復元されているようとだが、初めて見る住居跡がとても興味深いのだった。

と、ここは火山の噴火口がそのままの形で残っていて、円形の見事な火口はブラタモリで解説してもりいたいと思ってみたり。


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◾️アナ・テ・パフ

ランチブレークを挟んで、午後に最初に行ったのがアナ・テ・パフ。洞窟住居の跡である。イースター島には無数の洞窟や穴があって、敵から身を守るとか、儀式のため使うなどの用途で使われていたところだそうだ。複雑怪奇な洞窟を探検していると、人の住んでいた痕跡が残されていたりする。このような洞窟や隠れ家的な穴についても『アクアク』に詳しく解説されていて、なるほどなるほどなのだった。


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◾️アフ・アキビ

続いて立ち寄ったのは、アフ・アキビ。無数にあるモアイの中でも海を見つめるように立ち並ぶ異色の場所だったりする。背中越しに海が入る写真はここでしか撮れない。春分秋分の向きに立ち並んでいる、7つの部落のキングを示す、何世代かのための墓所になっている、などなどの逸話がたくさん残されている。


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◾️プナ・パウ

モアイの頭上におかれるプカオの採掘を行っていたところ。巨大なプカオが放置されていて、後期モアイの巨大化が進んでいたことが想起されるのだった。ここはすでに山の形が変わるほどの採掘が行われていたそうだ。見晴らしのよいところで、遺跡から見ると、樹木の成長度合いがよくわかる。争いが起こった時代は木の生えていない島であり、こうして緑がたくさん見渡せるのはいいことなのだ、というガイドさんの説明が印象に残る。

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半日ツアーはここで終了。昨日、今日と一緒になった人たちにお礼を言ってホテルに戻った。

 

◾️ランチとディナー

今日のランチタイムはそれぞれでとることになっていて、昨日知り合ったカナダ人のおばさまに一緒しない? と誘われて喜んで同行した。錆びついた英語で間違いだらけのかみかみだったけれど、あれやこれや話ができた。楽しませてもらって感謝。

日曜日なこともあり、近所のレストランは軒並みお休みで、ホテルのレストランで夕食をとることにした。朝ご飯のときに私の顔を覚えてくれている店員さんに話しかけられた。海を見ながらビールの3本目を頼むと、お前飲み過ぎではないのか? と笑われた。この地ビールが美味しいからだよ、と言い訳をする。


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今日は月がきれいに見えた。

イースター島/パスクア: 一日ツアー

今日は一日スペイン語と英語のガイドによる混載ツアーに参加した。

 

▪️ラノララク

まず行ってくれたのがラノララクイースター島を知ったときから憧れていたモアイが作られていたところだ。写真で何度も見てきた場所に来て、私は一人盛り上がっていた。放置されたモアイとか、製作途中の巨大なモアイとか、実際に自分の目で見ることができて幸せな気分になった。あちこちに切り出した痕跡が残っていて、もし作り続けられていたら、山の形が変わっていただろう。

今回の旅行は、ラノララクでモアイを相手にだるまさんが転んだをやって見たかったのだけど、動ける範囲が制限されていたのと、他のツアー客の手前、控えめに試してみたのだった。


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▪️アフ・トンガリ

次は、15体のモアイが並び立つアフ・トンガリキ。海を背にした姿は私にはやっぱりお馴染みのもの。津波にあって倒れてしまっていたのを日本の企業が再建したというのは有名な話だが、これをなぎ倒した津波の力を思い知ることになった。ガイドさんもその点を大いに強調していた。


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▪️アフ・バイフ

続いては、巨大なモアイが倒されたままになっているアフ・バイフ。プカオ(帽子ではなく髷)がそのまま放置されていたりして、混乱期のイースター島の様子を垣間見る。すべて理解できたわけではないが、イースター島の歴史的な背景についてガイドさんが熱心に説明してくれた。ヘイエルダールの『アクアク』を少し読んでいてよかった。


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▪️テ・ピト・クラ

遅いランチをはさんで、イースター島の起源に関連するテ・ピト・クラに行く。中央の丸い石を東西南北に小さな石が囲むという不思議な「光の石」と呼ばれる石がある。北はハワイ、西はポリネシア、東はチリを指すという具合いで、鹿島神宮の要石を思い出した。この石は磁気を帯びていて、コンパスの南北が狂うというデモを見せてくれた。不思議。


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◾️アナケケビーチ

本日の最後は、アナケケビーチ。伝説の王が上陸したところだそうなのだけど、リゾート客相手のビーチとして整備されているところだ。ここにあるアフ・ナウナウにはプカオをもつモアイが並んでおり、奥には大きなモアイも立っている。モアイモアイでお腹いっぱいだったらしく、熱心に観察していたのは私くらいだったかも知れない。まあ、そうなるだろう。海に突撃して砂まみれになって帰ってきたお客さんがいたりした。


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◾️夕飯などなど

混載ツアーの面白いところは、いろんな国の人たちと会えること。カナダから来たという女性が、英語とフランス語、スペイン語を使いこなしていて羨ましくなった。なんでもリタイアして世界中のあちこちに行っているとか。そんな感じに見えない若々しい人で、ちょっと憧れた。韓国から来たというカップルの写真を撮ってあげたら、日本語でお礼を言われてびっくり。あなたの英語で十分よと言ってもらったけど、私も頑張らなきゃだなと思った。

夕飯はちょっと気になっていた海鮮のレストランでセビチェを食べた。Sushi Rollなんかもあって、箸を使う。ツナかマヒマヒのどっちにする? と問われて、それはマヒマヒでしょうと答えると、パーフェクトな注文だと褒められた。とても美味しく食べたのだった。


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イースター島/パスクア到着: ひとまずほっとする

早起きして(と、早朝ではないのだけれど)サンティアゴの国内線ターミナルに行き、今回の旅行の目的地であるイースター島行きへチェックイン。と、想像していたとおりにわけがわからずあたふたする。LATAM航空の入り口で係員に相談すると、コードはどれだ? と言われて慌てる。eチケットの控えにはないもので、あメールが来てたかも、とそれを見せるとようやくビンゴだったが、あなたはパスクアに行くのね? と念を押されて⁇ となる。あ、そうですイースター島はパスクアでしたね、で万事解決した。ちょっと予習しておいて対応できたのだった。

イースター島は入島が厳しくて、いろいろな手続きがあったりする。ツアーの案内には1時間前にチェックインすればよいとあったが、2時間前に空港着で正解だった。


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私の妄想と現地ツアー、さらに便の関係で最短時間とはならなかったが、サンティアゴから4時間あまりのフライトの経てイースター島に到着できたのだった。現地ガイドさんに迎えに来てもらい、ちょっとぼんやりした結果、あなたはどこにいたのと笑われる。だってあそこで待てって言ったじゃん、とは反論できなかった。

ホテルに着いて、明日の予定を確認して、今日はここまでね、の予定が、空港で買っておけと言われた国立公園への入園チケットを忘れていることに気がつく。この時間だとまだ帰るので入手しておいてとなって今日はおしまい。と、どこで買えばよいやら、とホテルのレセプションで順番を待っていると、日本語で声をかけられ、正直とても安心した。ここで買えますので大丈夫です、が心強かった。

といっても、初めての場所でよくわからずにちょっと迷ってようやく必要なチケットを入手し、さらにスーパーで飲料水などなども手に入れた。

気が大きくなり、ではちょっと、と、ホテル前のレストランでビールとサンドウィッチを食べた。ホテルに戻り、セキュリティボックスの設定をしくじったりと天然ぶりを発揮しつつも、スタッフさんがみんな優しくてようやくリラックスしたのであった。


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イースター島は観光地、リゾート地なこともあり、英語のコミュニケーションに苦労しないのがありがたい。英語に関してはサンティアゴの方が日本に似ている感じがする。
チリに来てから感心しているのは飼い犬が多いこと。よく訓練されていてノーリードで問題なお雰囲気だったりする。空港の制限エリアをヨーキーが当たり前のように歩いていて、ペットに対する意識の違いがよくわかるのだった。

 

サンティアゴ: 旧市街散歩2日目

今日は昨日行かなかった国立美術館をのぞいてみようと開館直後に着くように行動を始めた。と、なんか携帯の電波受信状態がよくなかったようで、地下鉄の駅を降りても地図が開かず、むむむとなった。再起動したりなだめたりでようやく使えるようになった頃には美術館の前に着いていた。それなりに地図が頭に入ってきたようだ。

チリの国立美術館のコレクションに少し期待していたのだけど、なんか改装中らしくてほとんどの部屋が閉ざされたままで、ゆっくり眺められたのは現代アートだけだったような。まあ、現在のチリを確立するために苦労を積み重ねてきたのだな、というのはよくわかった。


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あらら、これだけかと気が抜けたが、気を取り直して国立自然博物館に行ってみることにした。地図を見ると、隣にはサンティアゴ鉄道博物館というのがあって、ついでにのぞいてみることにした。蒸気機関車や客車のコレクションはその手が好きな人にはとても楽しいのではないかと思う。と、屋外なので炎天下に晒され、私の方はギブアップ気味なのだった。さっと、でも展示されている機関車はひと通り見学して、自然史博物館に向かった。と、こちらは子ども向けの展示内容で、疲れが出始めていた私はささっと回っておしまいにした。チリはとても教育熱心なのだな、というのはよくわかった。


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さてどうしようと考えるのが面倒なほど気温が上昇したおり、アルマス広場まで戻ってはみたものの今日の散歩はおしまいにすることにした。広場と大統領府を取り囲むように長く行列ができていて、事故で急逝された前大統領のお悔やみの人たちなのか、気がついた。人気があったのだろう。と、私は邪魔にならないように少し急ぎ足でその場を後にしたのだった。