顔真卿/東京国立博物館

チケットを入手したものの行列と待ち時間に跳ね返されていた東京国立博物館の「顔真卿 王羲之を超えた名筆」に足を運んでみた。トーハクは午後9時まで開けてくれているのがありがたいかぎり。人手が多いとはいっても、入る人よりは出て行く人が多いのもありがたい。

東晋、唐の時代と言われてもほとんど知識がなかったりするし、自分の書く文字は癖字だし、書の良し悪しもよくわからない、というのが正直なところだけど、文字と聞けば居ても立っても居られないのが私だったりする。それなりの人出のなか、行列に並んで1点ずつ向き合ってみたかったわけだけど、どう考えても時間が足りないことはすぐにわかった。今回の目玉である「祭姪文稿」の行列の様子を確認して終了時刻を把握したのち、筆致と全体の雰囲気を頭に叩き込むことに集中して手当たり次第凝視し続けた。じっくり眺めれば内容を少しは把握できるものもたくさんあったのがちょっと残念。半日かけるくらいの時間を作ればよかった。

隷書、楷書、草書といった書の変遷や、名筆家たちの書の変化など、ともかく素晴らしい構成で、この企画を実現した人たちの熱意には頭が下がる。私的に楷書の文書に魅入られたのは、書かれている内容をできる限り把握したいという心情が表れているのかもしれない。

文字の力を改めて思い知った展示なのだった。

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